東空落星

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続いてるのですかね?

というわけで前書いた咲霖ssの続き的なものです。
もう、何書いてるか分からなくなってきました。
なんともないと思いますが、よければ見てやってください。



あの時倒れて以来、私―――十六夜咲夜は外出を禁じられた。
仕事はしてもいいそうだが、外出だけは駄目との事。
買い物は、美鈴が行っているらしい。
―――彼と会えなくなって、三日ほどたった。
お見舞いで来てくれないかと、考えたりしていたが、彼は来てくれなかった。
………今日は、午前中は休んでいいとの事なので、ベッドで眠ることにした。
本当は仕事がしたいのだが、レミリアお嬢様の命令なら、仕方がない。
ベッドに入り、目をつぶる。
案外早く、睡魔は襲ってきた。










この命は、お嬢様のために。
この体は、あのお方のために。
この魂は、あの吸血鬼のために。
そう、仕えるとき、誓った。
なのに。
この頃は、私の心に、彼が入り込んでくる。
いつも、彼のことを考えてしまう。
いつのまにか、お嬢様と同じくらい、彼のことを想っている自分がいた。
………彼のことが好きだという自覚はある。
だから、どうにかしてこの気持ちを伝えようと、頑張ったときもあった。
だが、もう無理だ。
使いすぎた時間を、私はこの身で払わないといけないから。
死という、代償で。








「……く、や…」

寝苦しい。
思わず、体をひとひねりさせ、ベッドに潜り込む。

「ちょ……ひど……じゃな……さく……」

誰かの声が聞こえる。
でも、それが誰かを識別するために、目を開ける気にはなれなかった。
ああ眠い。このまま眠っていれば、いつか夢の中で彼と会えるかもしれない。
しかし、それは叶う事はなかった。

「ちょっと咲夜!起きなさい!」

「はい!?」

いきなり叩きつけられた怒声により、私の意識は急浮上する。
突然だったため、能力を使って着替えるのも忘れていた。

「申し訳ございません!今、着替えますので!」

目の前に仁王立ちする吸血鬼に一瞥してから、、能力を使おうとする。

「やめろ」

「え?」

気づくと、今にも引き裂こうとする勢いで、自分の喉に真っ赤な爪があてられていた。
紅魔館の主―――レミリア・スカーレットに。

「あ……その。申し訳ございませ」

「一日ずっと寝ていたのを怒っているのではない」

今更気づいたが、お嬢様が起きているという事は、今は夜なのか。
こちらを赤きその瞳で見つめるお嬢様から視線を外し、横のカーテンのかかった窓を見ると、うっすらと光輝く月が見えた。

「横を見るな。私が話している」

「すいません」

目を背けたことを詫びる。
これほどご立腹なお嬢様も、久しぶりだ。
一体何に怒っているというのだろうか。どうやら、私が一日中寝ていたことについては言及なさらないようだし、そうなると理由が見当たらない。
すると、顔に出ていたのだろう、お嬢様はゆっくりと口を開いた。いつもよりその犬歯が長いことを見ると、今日は満月らしい。

「貴女、また時間を止めようとしたわね」

「………はい」

少し柔らかくなった口調で告げられたその言葉に、私は伏せがちに頷いた。
すぅ、とあてられていた爪が下がる。

「分かっているわよね。これ以上能力を使ったら、どうなるか」

ぐさりと、その言葉が突き刺さる。
まるで、氷をアイスピックで砕くがごとく。

「……どうせ、時間は戻りません。なら、最後までお嬢様のために使います」

これは本望だ。
これまで、自分を拾ってくれたお嬢様のために、必死に働いてきた。
お嬢様のためだけに、ここ紅魔館に居るのだ。
だから、お嬢様のために能力を使い、朽ちるのには何の悔いもない。
ただ―――

「そう。なら、あの店主に会えなくてなっても、どうでもいいのね?」

「………」

冷たく鋭い声が、私の生活用品以外何もない質素な部屋に響く。
見事に当てられて押し黙るしかない。
そう。
それだけが、ただ一つの心残り。
彼に、この気持ちを伝えないのが。
でも、どうしろというのよ?
きっと、もうすぐ私は死ぬ。
何とか今は体も動くが、やがて動かなくなるだろう。
そんな私に、どうしろって言うのよ!
視界がゆがむ。床に敷かれたカーペットにぽたりと雫が落ちた。
主にはこんな顔見せまいと、ずっと決めていたはずなのに。
その雫の量は、次第に増えていく。

「うっぐ………」

下を向き、目をつぶる。
口からこぼれでる嗚咽を必死で噛み殺す。
でも、押さえようとすればするほど、泣き声が響いた。

「………」

先ほどから、お嬢様は一言もしゃべってない。
私の醜態を、どんな顔で見つめているのか。
笑っているのだろうか。
無表情なのだろうか。
それとも、別の表情か。
やがて、上の方から声が聞こえた。

「貴女に、休暇を出すわ。休暇中は、私のことなんて考えないで、自由にやりなさい」

私の嗚咽が止まる。
不思議なくらい、一瞬で。
休暇。
その間に何をすればいいか。
やることは、一つしかない。
彼の、ところへ。

「ただし、条件がある」

思わず、顔をあげる。
そこには、微笑を浮かべた、月光に照らされる赤き吸血鬼がいた。

「言うこと言ったら、ちゃんと帰ってきなさい!」

「………はい!」

こぼれる涙をぬぐう。
もう、目から涙が流れてくることはなかった。

「私は、悪魔の狗ですから」

「よろしい」

館の主の微笑に、私も笑顔で返した。








―――明日、きっと会いに行こう。
残り少ない命。折角お嬢様が与えてくれた休暇なのだ。
ちゃんと、伝えよう。
私はそう思い、目をつぶった。
心臓の鼓動が速くて、今度はなかなか寝ることができなかった。


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