東空落星

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さっきゅん。

 とりあえず、続きもののssを終わらせようかと。
しかし何度見るたびに、ガキっぽいssだ……。やっぱり変。
なぁ、霖之助って朴念仁じゃなかったけ。やはりキャラ崩壊。
あと、無駄にスペース開けすぎたぜ……。


そんなわけで前書いた咲霖ノラスト。
覚えてくれていたら……ってそんなわけないですねw
すごい間が開いてしまったことを、お詫びします。


『LAST TIME LAG―――温かきあなたの側』



明日あたりメッセ取得しようとしてる俺。
うわ、俺キメェ。



言っておきたかった。
この気持ちに応えてもらわなくてもいい。どうせ、もう無いに等しい。
私は弱かった。完璧という名の鎧を重々しく着込んで、自らの心を堅く守っていた。
だから、その鎧が崩れ去ってしまった今では、私は風前の灯火に近い。
しかし、だからこそ言っておきたい。
私があなたに抱いていたこの気持ちを。










見ると、懐中時計が時を刻むのを止めていた。
ずっと昔から愛用していただけに、ショックだった。
長針が四、短針が四十四、秒針が四のところで止まっている。
『死』のごろ合わせとみても良かったが、私はこの数字が『幸せ』を意味していると信じた。











彼の店に向かう一歩一歩が辛かった。
右足を出せば腸を食物がかけあがり吐瀉物になりかわりそうだったし、
左足を出せば体中の血管が縮小して血が凝んだ気がした。
それでも、私は歩みを止めなかった。
古い言葉に、『死ぬのなら前のめりに死ね』という言葉があったのを思い出す。
死ぬ間際などどんな存在でも一緒なのだから、そんなの意味がないと考えていた。
でも、それは違った。
死ぬかもしれない、既に定められた運命なのかもしれない。
それでも―――
臆することなく、歩み続ける思いがあるのだと。







誰かが言った。
あの店まで送りましょうか?
それが門番だったのか図書館の動かぬ司書だったかその司書の手伝いをする悪魔か仕えるべき主人か主人の妹かは忘れたが。
しかしそれを私は断った。
我ながら合理性のない選択だった。店への道のりで倒れないとも限らないのに。
能力を使おうにも体が拒絶反応を起こすなら尚更だというのに。
それでも私は断った。
最後まで、自分の仕事場では瀟洒でいようと見栄を張ったのかもしれない。
最後まで、完璧であろうとしたのかもしれない。

「うふふ……」

十六夜咲夜はかすかに口元を吊り上げた。
しかしそれは決して、自嘲などではなかった。



ごつん。ごつん。
前頭部が何かにあたっているのに気づき、顔を見上げる。
それまで虚ろだった思考が目覚め、純粋な痛覚を頭部から感じ額を押さえる。目の前の柱を半眼で睨みつけた。
―――いつの間にか着いていたらしい。
ぼろい木造建築。擦り減った玄関の溝。完成してそれほど経ってないとうのが疑わしいほどの脆さ。
だけど、それが、私が一番会いたい人の。
首をあげて喉仏をさらす。激しい上下運動―――といっても首だけだが―――にさいなまれながらも、上の方にかかっている看板を見つめる。
「香霖堂……」
胸の中でその名を反駁する。もう、ここに来れないかと思うと、ちくりと奥の方が痛んだ。
それは、体の痛みなんかより数倍痛くて、それだけで、涙が溢れそうになった。
それでも、時は回る。こうしている間にも、時間ワナクナッテイク。
私が扉を開けようと前に立ち、その引き戸に手をかけたところで耳に声が聞こえてきた。

「誰か、いるのかい?」

「!?」


身がすくんでしまった。
扉に隔てられながらも、確かに聞こえてくるその声に。
考えればすぐわかることだった。玄関先で何か音がしていれば目を向けるし、人影があれば尚の事だ。
扉越しに、いる。
私の、大好きな人が。

「………」

足を進める。そのスピードは異様に速くて……え?

「あ………」

確かに足は動いていた。
後方に向かって。
左足と右足は、それまでの痛みを忘れたようにいま通ってきた道に向かって後ずさっていた。


「なっ………」

自分の体の動きに愕然としながらも、私は何故だかその意志に逆らえなかった。
まるで、肉体と心の主従が逆転したような感覚だ。
その時、扉ごしではあるが、店主が動く気配を感じた。

「……ゃ」

未だに店に視線を向けたままの私の顔がゆがむ。
さらに加速を見せる足に連動して動く体を見て、悟る。

「……ぃゃ」

私は怖いのだと。
長く生きられないと言われ、最後の最後、返事の内容などどっちでも意味はさほどない筈なのに。

「いや!」

ここまで来ても私は。
告白して、断られるのが、いやなのだ。

「絶対に、嫌ッ!」

体をひねり、全速力で店を離れる。
嘘のように軽かった。












待っていた。
彼女が倒れてから、何日も。
幾日かして訪れた紅魔館の門番が教えてくれた。
彼女が、非常に危険な状態だということを。


待っていた。
来るかどうかもわからないというのに、彼女が来るのを。
自分でも珍しいと思えるほどに、本を読む時間も減っていた。
玄関で音がするたび、食い入るように入ってくる人を見つめた。
しかし、もともと訪れる客は少ないこの店、それにその時々の客さえ、彼女ではなかった。

それでも、待った。
来る日も来る日も、その引き戸の震えを待った。
そんなある日、扉の前に人影が見えた。
この頃魔理沙が来てないから、そこらへんだろうと考えていたから、もしかしたら半ばあきらめていたのかもしれない。

「誰か、いるのかい?」

僕の問いに、人影は答えなかった。
そればかりか、扉の前から身を引いたのだ。それまで、至近距離であったからこそ映っていた影が煙のように消える。
まっ黒な影―――それがいったい誰かなんて分かる訳がない。
なのに、僕にはその人影が、ずっと待ち望んでいた人に見えて、

「待ってくれ!」

気づけば、僕は勘定台のところから立ち上がり、玄関に向かっていた。
引き戸を力いっぱい開け、あたりを見回す。
さっきまで扉越しにいたであろう人は、どこにも見えない。



しかし、僕は走り出した。
目標は見えない。どこへ行けばいいかも分からない。
だというのに森近霖之助は、最初から道を知っているかのように、確かな足取りで走り出した。




だから、愕然とした。
彼は二つのことを信じた。一つ目は、今走るこの道を、必ず彼女も走っているということに関して。
いつの間にか傾いた太陽の紅い夕陽が大地を照らしている。

「…………」

しかし、もう一つのほうは外れてしまった。
彼は見下ろしている。

「さ、くやさん………」

その視線は、地にうずくまるように倒れている十六夜咲夜に向けられている。
彼が信じた彼女の長命は、チリの如く吹き飛ばされていた。

「咲夜!」

倒れたまま動かない彼女を抱きかかえる。その体は華奢で、人形のようにいまにでも壊れそうだ。

「目を覚ましてくれ!」

「…あ……霖之助さん」

弱弱しく、彼女が目を開ける。
良かったと安堵したのは一瞬、彼女がせき込む。

「お、おい!大丈夫」

途中で言葉が止まってしまったのは、彼女の吸い込まれるように大きな瞳の眼尻が、釣り上ったから。

「……いや」

「え?」

「嫌なの!貴方のそういう所が!」

ばん、と突き飛ばされたかと思うと、彼女が顔を引きつらせながら立ち上がる。
その顔は、痛みと怒りがない交ぜになったような表情だった。

「さ、咲夜……?」

「こんなところまで追ってくるなんてお節介が過ぎるわね!そういう思わせぶりなところが大っ嫌いだったわよ店主さん!朴念仁のくせして妙なところで優しくて!」

そこで一息つく咲夜。だが、すぐにその口は開かれる。

「だけど貴方はどんなアプローチにも無関心なままで、どんなにこちらに気を引かせようと頑張っても、無表情で……」

「………」

普通なら、彼女のことを考えるなら、大声を出すという体力を削るような行為は即止めさせるべきだったのだろう。
だけど、その時僕は彼女のことを見つめるばかりで、なにも言わなかった。

「だから……最後になっても……言いたい言葉が言えないままで……告白して、断れるの、が、怖くて……」

次第に嗚咽混じりになっていく怒声。
尻もちをついていた僕は、静かに立ち上がるとそのまま彼女に近づいた。
そしてそのまま。

「嫌ッ!触らないで!」

―――そのまま彼女の背中に手を回す。
肩のところに僕の上腕二頭筋が来ているため自由に動かせなくなった腕で必死に引き離そうとする彼女。
華奢な体と同じでその腕は非力だったが、強い痛みを胸に僕は感じていた。
苦しんでいる彼女になにもしてやらなかった自分に、嫌悪を抱いて。
自然と、自分の顔が彼女の耳元あたりにある格好となる。
暴れる彼女に聞こえるように、囁いた。

「何とか、してみせる」

今思えば、それはなんて曖昧な言葉だったのだろう。
あの紅魔館の主や魔女でも解決することができなったのを、一介の半妖がどうこうできるものではない。
それでも、僕は言った。
彼女は、腕に力を入れるのを止めてくれた。

「え……」

「君が助かるように、僕ができること全てをやる」

「霖之助さん……。でも、もうそんな事」

「諦めないでくれ!」

ビクリと、彼女の肩がふるえる。
耳元にあった顔を引き下げ、視線を彼女の顔にうつす。
その瞳からはとどめなく涙を流していた。

「僕は信じているよ。何かしらの方法があると。でも、君が諦めてちゃ意味がないんだ」

「そんな、事言われても……」

「信じてくれ。僕が信じる君を。君が信じる僕を」

彼女が俯く。でも、それは一瞬で。

「約束……して」

「何をだい?」

「私は……憶病なの。だから、心の準備ができて、ちゃんと告白できるまで……。あなたのそばに居させて。ずっと、ずっと」

「………もちろんさ」

がくん、と彼女の膝が折れる。
抱きしめていた体が零れ落ちるように地面に向かうのを、体に密着させるようにして抱きしめることで食い止めた。
聞こえてくるのは、やすらかな呼吸音。

「寝ている……?」

あんなに大声を出したりしたのだ。辛い体では無理もない。
腕の中、静かに眠る彼女に向かってほほ笑んだ。
ただ、この女性を守りたくて。
今はただ、彼女の体温を感じていたかった。














―――パタン、とそれまで書き綴っていた日記を閉じる。

ふぅ、昔のことを書くって、意外と恥ずかしいわね。

続きは、今度にでも書くことにしようかしら。

……あら?あの人が呼んでいるわ。行かなくちゃね。

十六夜咲夜は椅子から立ち上がると、、愛する人の元へ向かった。

その表情は、柔らかいものだった。
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小説という駄文 | コメント:2 | トラックバック:0 |
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2008-10-21 Tue 21:13 | | #[ 編集]
このコメントは管理者の承認待ちです
2015-12-03 Thu 23:14 | | #[ 編集]

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